スマートフォンが勢いよく普及し、その過程でSNSが発達しました。
あなたはインスタグラムを使っていますか？また、インスタグラムに投稿をしていますか？
インスタグラムは写真と文章を合わせて投稿するツールです。スマホを使えば誰でも、どこからでも投稿できる手軽さや、様々な人からの素早いレスポンスが楽しいという点が魅力的だと言われています。加えてアカウントを使い、現実世界の「ワタシ」とは違う名前・雰囲気で投稿するのもまた魅力の一つとも言えます。
その一方で、投稿された写真や内容から、個人情報を特定する、という「特定屋」という方も増えているようです。
でも、写真に個人情報を載せているつもりはないし、文章も当たり障りのないように書いている。本当に「ワタシ」を特定する方法があるのでしょうか。
インスタアカウントを特定する方法
①投稿写真から場所などを推測
スマホ本体にGPS機能が搭載されていますが、インスタグラムアプリの設定の中に、位置情報を付与するという設定があります。インスタグラムの設定→位置情報がONになっている場合です。その場合、投稿したページの左上に、投稿した時の位置情報が自動的に付与されることになります。素敵な景色のところに行った、ふと見たイチョウ並木が綺麗だった、などタイムリーに投稿する方もいると思います。その時に上記の位置情報がONになっていると、今アナタはそこにいるんだな、ということが瞬時にわかります。
また写真には多くの情報が詰まっています。
近年、スマートフォンカメラの解像度が劇的に上がってきたこともあり、細かい部分までかなり鮮明に見えるようになっています。故に意図せず写り込んでしまった写真の一部からも多くの情報が手に入ります。例えば、グラスに入った飲み物を撮った時、グラスに映った反対側の電柱にかかれている住所で、その写真が撮られた場所がわかります。
他にも、人物を撮った時、瞳に映った景色によって、人気の食べ物を持っていればそのお店の住所から、東京タワーやスカイツリー、ランドマーク、など特徴的な建物の見える角度や高さ、その見え方によって、このように場所を特定することは意外と容易いのです。
②コメントやいいね欄の友人から推測
インスタグラムの投稿には、コメントやいいねをつけることができます。誰がいいねやコメントを付けたかを見ることも可能です。その中から、その時、一緒に出かけた友人を見つけることも可能になります。
この場合、友人のインスタグラムで場所を特定できるような投稿をしていたら、どうでしょうか。同じような構図の写真に加えて一緒に行ったよねーというコメント、あるいは、いいねがあれば、〇〇さんと同時刻同場所にいたんだということはすぐに分かります。〇〇さんにもその人なりの人間関係があり、友人の友人からのコメントを受けることもあるでしょう。
そういった作業の中で、共通の友人などが芋づる式につながると、友達のともだちのともだちの知り合い、という形で、本名や出身地、出身学校などもわかるようになってきます。また、友人からのコメントには、普段呼んでいるあだ名で書かれるものもあり、そういったことの積み重ねで、人物を特定することは可能になります。
③敢えて写真を取らせることでわかる
この場合は「匂わせ」などと言われるものになります。敢えて、特定されやすいような場所や個人情報が分かるような持ち物を写真に映りこませることで、誰か？を特定させることができます。一緒にいる人に対してそのようなことを行えば、相手が気が付かないうちに、そういったことは可能になります。
インスタアカウントを警察が特定することはできるのか
結論から言えば、可能ではあります。ただし、動いてくれるかどうか？という観点から行くとそこにはある程度の段階が必要である、といえます。IT技術は日々進歩しており、犯罪が行われた場合には、警察にいるサイバー犯罪の専門家が、アカウントを特定することになります。また、上記で記載したような素人でもできる写真からの特定といったものは、警察組織の中にある、科学捜査研究所で簡単にクリアできてしまいます。
いわゆる嫌がらせ程度の場合、警察は対応してくれません。「嫌がらせが明らかに犯罪にあたるかどうか」という部分が重要になってきます。またドラマでもよくありますが、証拠の有無も重要なポイントです。「証拠はあるのか？」のくだりですね。
例えば、DMと呼ばれるダイレクトメッセージで、脅迫を受けた場合は脅迫罪といったものが適用され、かつ、DMという証拠もあるので警察に通報・被害届の提出などを経て捜査してもらいます。他にもストーカー行為があり、被害者の身に危険が及ぶ可能性がある場合、名誉毀損にあたる場合なども警察が対応してくれる可能性が高くなります。そして、捜査が始まれば特定することは可能と言えます。
インスタアカウントを電話番号から調べられるのか
最初にインスタグラムアプリをダウンロードして使用した時のことを覚えているでしょうか？アカウントを作成する時に電話番号の登録を任意ではありますが、求められます。
アカウントの乗っ取りを防ぐために二段階認証をするためには電話番号の登録が必要になってきます。そのため、電話番号をインスタグラムに登録している方も多いかもしれません。
それと同時に、連絡先の同期設定やFacebookとの連携を設定している方も多いのではないでしょうか。インストールしたタイミングの設定で何気なく同期を許可していたり、始めた当初、フォローする相手を見つけるために連携したり、そういったパターンが考えられます。この場合、自分のスマホに登録されている連絡先とインスタグラムのアカウントとして登録されている連絡先が合致した方が「知り合いです」ということになります。つまり、手元にある連絡先（電話番号）からアカウントにたどり着くことができるようになります。
Facebookで電話番号を登録していた場合も、同じように、Facebookとの連携から、電話番号もそこに紐づくインスタアカウントも調べることが可能です。Facebookはそれが普及した背景により、インスタグラム以上に、個人情報の宝庫となっている方が多いと思います。
さいごに
インスタグラムは今やほとんどの方が利用し、手軽に投稿を楽しめるアプリです。
写真や文章で、自分の好きなことを伝えたり共感したり、日々の備忘録だったりと様々な使い方もできます。企業でもインスタグラムを運用し活用することで集客を上げている面もあり、もはや生活と切り離せないツールになってきた、とも言えます。
一方で、スマホの高性能化が進み、搭載しているカメラの解像度の高さやGPS精度の高さと相まって、思わぬところからトラブル・事件に巻き込まれる可能性も高くなってきています。
投稿する写真を加工して、個人情報を消したと思っていても、悪意を持って別のアプリで加工すれば、すぐに見破られてしまうこともあります。個人情報が不用意に渡らないように、十分に注意する必要があります。
写真への映り込みは細部まで確認が必要なこと、タイムリーな投稿をすると、自分の居場所がすぐにわかってしまうこと、複数のアプリとの連携は必要かどうかを考えてから行うことなどと、使い手側の慎重さが必要であると再認識しましょう。
本当の友人以外に、身元がバレたくない方などは、インスタグラムアプリの設定を再度確認してみてください。
